10月17日、東日本大震災で被災した酔仙酒造(岩手県陸前高田市)の人気商品「雪っこ」が復活しました。一関市千厩町の酒蔵(岩手銘醸「玉の春工場」)を借りて、慣れない環境と施設で苦労の末、復興に向けた第一歩を踏み出しました。
活性原酒「雪っこ」


28日に放映されたNHKクローズアップ東北「それでも酒っこ つくるべや~陸前高田 再起の酒造り~」で、本当に苦労されながら初出荷にこぎ着けた姿を見ました。

蓋に印字された「一生懸命つくりました」の文字に心が打たれました。
活性原酒「雪っこ」
高田松原の一本松のイラストに「がんばっぺし」の文字があります。「復興」を「福幸」としているところも、「雪っこ」で福と幸せをもたらしたいという意志の表れだと思います。



裏側の下部に醸造所として「玉の春工場」の文字がありました。
活性原酒「雪っこ」
「雪っこは冬季醸造期間中のみ製品に仕上げた白くにごった原酒です。生まれたてのトロリとした旨さと酵母や酸素が生きていること、比較的日持ちが良いことなどが特徴のお酒です。暖かい部屋で冷たいものをそのまま頂くほかに、甘酒風に調整したり、数滴のライムなどで素敵な楽しみ方も出来ます。」


「雪っこ」は昭和45年に発売されました。酵母や酵素は生きていても、醗酵を休止した状態にすることに苦労した商品だそうです。醗酵が休止しているために活性酒でありながら、開封した時に吹き出すことがないのです。


よく振ってから開封します。白くにごったきれいな原酒が現れます。
活性原酒「雪っこ」

アルコール度数20度ですが、本当にトロリとしていて口当たりがよく、飲みやすいお酒です。炭酸や牛乳で割って飲んでも美味しいのですが、今回は復活を祝ってストレートでいただきました。



震災から間もない頃に陸前高田市に入り、跡形も無くなった酔仙酒造を目の当たりにしてショックを受けたことを思い出します。あの光景を思うと、7か月で「雪っこ」の販売にたどり着いた努力と支援の輪に確信とも言える希望を感じます。