今年で20回目を迎えた「遠野町家のひなまつり」に行ってきました。各商店や家庭に代々伝わるお雛様が町中の商店などに飾られています。イベントも多く開催され、遠野の町が賑わう季節です。散歩散策地図コースは最後に紹介します。
遠野では、「おひなさま、お見せておぐれんせ(お雛様を見せて下さい)」と各家庭を巡る風習があるそうです。
駅前の遠野市観光協会に立ち寄り、パンフレット等をもらって情報収集です。こちらではカッパをモチーフにしたお雛様が飾られています。
隣接した売店では遠野のお土産も多く売られていました。和紙と遠野の土を練り合わせた「附馬牛人形」が目を引きました。
遠野地域婦人団体協議会
駅からまっすぐ進んだ右手の店舗、遠野地域婦人団体協議会の展示です。吊るし雛、古びな、陶器の雛などが飾られています。
竹林堂
和菓子屋さんの「竹林堂」です。明治後期の京びななどが飾られています。嬉しいことにお菓子の試食もありました。こちらは和菓子屋で、遠野名物の「明けがらす」をはじめとした和菓子が売られていますが、ケーキなどの洋菓子もおすすめです。帰りにケーキを買って帰りましたが、見た目も甘さも上品で美味しいケーキでした。
千葉家具店
千葉家具店です。上の写真は江戸末期の大きな享保雛で、男雛が足を組んでいる珍しい雛だそうです。ボロボロだったそうですが、専門の方に修繕して貰ったそうです。下の写真の古びなは上品で美しい顔をしています。
蔵が多いのもの遠野の特徴ではないでしょうか。
こちらは遠野そばのお店「ばんがり伊藤家店」の階段です。
神田屋
着物や洋服、小物などが売られてた神田屋です。対象正時代のお雛様、昭和三陸大津波救援物資の海軍赤毛皮の上に並んでいます。
花巻人形も飾られていました。
店先の飾りも素敵でした。
明治15年(1882)の建物だという「仙台屋商店」、とても趣がある建物です。明治当時の商店の様子が分かります。お茶を売っているようです。中にはお茶壺やお茶箱が見えました。
お休処やおちゅう
食事や喫茶のお店です。お雛様のほか、骨董品も多く並べられていました。お洒落なお店です。
とりあえず
何の店舗かわかりませんでしたが「とりあえず」というお店です。江戸中期のお雛様だそうです。
まつだ松林堂
土日限定で子供語り部によるご案内がある”まつだ松林堂”です。丁度、子供語り部が休憩に入ったそうで、大奥様?の語り部でご案内いただきました。上品な方でお話も上手で楽しい時間を過ごしました。遠野ひなまつりの中でも是非足を運びたいお店です。
遠野では五月人形も一緒に飾る風習があるそうです。豪華な五月人形の段飾りも並んでいます。
大奥様?のお話では10年に一度に公開する(先代夫人の言いつけ?)という大羽子板「曽我兄弟の仇討」も見ることができました。
遠野銘菓「明けがらす」の元祖のお店です。遠野銘菓「明けがらす」は150年前に誕生したそうです。日本書紀に登場する3本足のカラス「八咫烏(やたがらす)」をイメージしているそうで、包装紙やシールなどにも八咫烏をデザインしているそうです。日本サッカー協会のエンブレムに八咫烏が使われていますが、サッカ-の町である遠野にふさわしいお菓子です。
新里陶器店
三田屋
旧呉服屋を再生してイベントスペースなどに使わている「三田屋」です。一日市通りのスタンプラリー景品引換所になっていました。吊るし雛が飾られています。
福山荘老舗の旅館です。昭和のお雛様が飾られています。こちらでは甘酒をいただきました。お雛様の写真を撮るのを忘れてしまいました。
フロントの横にあるレトロな電話室が素敵でした。中には昔の電話機をモチーフにした公衆電話があります。階段も昔のままですが、ピカピカに磨かれていました。民話の里にふさわしいレトロな旅館で、タイムスリップしたかのような感覚になりました。
遠野市立博物館
江戸から昭和の遠野のひな人形と五月人形、雛道具が展示されています。入館料300円。
寛永4年(1627)に八戸南部氏が遠野に移り、遠野南部氏(1万2千石)の城下町として発展して来ました。
内陸部と沿岸部を結ぶ交通の要衝であり交易の拠点だった場所です。伊達藩境にも近く、他藩からの人々も多く入っていたと想像できます。江戸時代、多くの人や物資が集まり、商家が軒を連ねて賑わっていた土地でした。江戸時代の多くのお雛様が残ることからも、遠野の賑わいを想像できます。
遠野の人たちは気さくで物腰が柔らかく、気持ちよく散策が出来ました。昔から交流人口が多かったことが、遠野の人たちの気質を生み出したのでしょうか。遠野のまちは何度足を運んでも、また来たくなるところです。