前回の呉服橋架道橋と東京駅をはさんで有楽町側に位置する「鍛冶橋架道橋」です。色は違いますが、築年も形状や長さも呉服橋架道橋とほぼ同じ架道橋が東京駅を守るように挟み込んでいます。
約100年前に整備された東京市街高架鉄道には、鉄桁の架道橋が13カ所あります。うち7つの橋が100年以上、現役として活躍しています。「呉服橋架道橋」と同様、明治43年(1910)に竣工して、今でも山手線と京浜東北線を現役で渡しています。
東京駅から有楽町駅に向かう最初の架道橋となります。
東京市街高架鉄道は、現存する日本で最古の高架線です。東海道本線の起点だった新橋駅と東北本線の起点だった上野駅を結び、途中に中央停車場を建設する計画で整備されました。
明治42年(1909)に烏森(現新橋)まで、明治43年(1910)に呉服橋仮駅まで開業します。
煉瓦造りのアーチ状の高架線も当時のまま、現役で使用されています。軟弱地盤のため、赤松の基礎杭が多く打ち込まれています。
呉服橋架道橋と同様、ゲルバー桁を鉄柱によって3径間で支えています。長さは約36.5mあるようです。
支承付近の柱には意匠が施されています。
近くには東京国際フォーラムがあり、近代建築との対比も楽しいものです。東京国際フォーラム付近は、旧東京府庁舎があった場所です。
鍛冶橋架道橋も、100年以上支え続けているとは思えないほど、きれいな橋梁であり、丁寧にメンテナンスが行われてきたことが分かりました。