江戸時代中期、自然の花崗岩に彫られた石像群が残る五百羅漢。日本の原風景とも云われる遠野の中でも神秘的な場所です。
恋愛のパワースポットとして有名な「卯子酉神社」から約300mほど遊歩道を登ります。
五百羅漢は「天明の大飢饉」による餓死者を供養するため、大慈寺の義山和尚が彫ったと伝わります。
"今よりも平均気温が3度も低かった江戸時代、高冷地の遠野はしばしば凶作に見舞われ、宝暦5・6年(1755・6年)、天明2年(1782年)などの大飢饉には多くの被害者を出しました。
心を痛めた大慈寺の義山和尚は、その供養のため明和2年から数年をかけてこの五百羅漢像を彫り上げました。"―案内板―
前回(恋愛成就の神「卯子酉様」(遠野市)と愛宕神社、五百羅漢を巡る)は手前から奥を眺めただけでした。今回は奥まで進んでみました。
きれいな沢が流れています。
五百羅漢が刻まれた花崗岩が山の中に連なっています。苔が生え、風雨による劣化もあるのか、羅漢を確認できる岩は少なくなっています。
元々、地表に出ていた花崗岩に彫ったのか、義山和尚が掘り出したものなのかは不明です。
大小様々な岩には苔が生え、木漏れ日が射し、美しく神秘的な情景を作り出しています。