歴史ある、橋梁と建造物群が見られる大阪の中之島を見て廻りました。
水の都と言われる大阪は、多くの川が流れています。
水の都と言われる大阪は、多くの川が流れています。淀川から分流した大川が中之島で、南側の堂島川と北側の土佐堀川に分かれます。中之島は、堂島川と土佐堀川に挟まれた中州です。東西に細長く、約3kmほどの距離があるようです。
大阪市役所、国際会議場、国際美術館、日本銀行大阪支店が軒を連ねるほか、国の重要文化財である大阪府立中之島図書館や大阪市中央公会堂(中之島公会堂)などの重厚な建造物を見ることができます。
橋が多く、歩行者専用を含めて20を超える大小の橋が架けれらています。土木学会が選奨した土木遺産「大川・中之島の橋梁群」には、桜宮橋、天満橋、天神橋、大江橋、淀屋橋が入っています。
今回、中之島に架かる代表的な橋である難波橋、土木遺産に名を連ねる天満橋、天神橋、大江橋、淀屋橋を中心に見ることが出来ました。
難波橋、天満橋、天神橋は江戸時代、浪華三大橋と呼ばれていました。
地下鉄の淀屋橋駅から淀屋橋に向かいました。
淀屋橋
御堂筋を渡し、大阪市役所や日本銀行大阪支店に通じる橋です。昭和10年竣工、国の重要文化財に指定されている鉄筋コンクリート造りのアーチ橋です。
淀屋橋を渡れば、右手に大阪市役所、左手に日本銀行大阪支店が見えてきます。
大阪市役所
昭和61年に完成した庁舎。
日本銀行大阪支店
日本銀行本店が開設された2か月後、明治15年12月に大阪支店は開設されます。明治36年に現在の場所に移転されています。
旧館の建物はベルギー国立銀行がモデルで、ルネッサンス様式を取り入れたネオ・バロック様式となっています。設計は、東京駅や日本銀行本店を手掛けた辰野金吾。
駅逓司(えきていし)大阪郵便役所跡
大江橋
淀屋橋の北側で中之島から御堂筋を渡す橋です。淀屋橋と同じ形状であり、こちらも国の重要文化財。
水晶橋(歩行者専用)
堂島川を中之島と北区西天満を結ぶ歩行者専用橋です。昭和4年に建設された当時は可動堰だったそうです。昭和57年に改装され、橋として登録されました。
歩行者専用とは思えない立派な橋です。
栴檀木橋(せんだんのきばし)
南側の土佐堀川に架かる、昭和60年に架け替えられた比較的新しい橋。
大阪府立中之島図書館
明治37年、第15代住友吉左衛門氏の寄付で作られた建物。外観はルネッサンス様式、内部はバロック様式となっています。ギリシア神殿風の円柱が印象的です。重要文化財の建物です。
大阪市中央公会堂(中之島公会堂)
株式仲買商 岩本栄之助からの寄付で建設が始まり、大正7年に完成します。ネオルネッサンス様式の建物は、中之島の中でも存在感があり、大阪の象徴とも言われています。
難波橋(なにわばし) 通称:ライオン橋
江戸時代には、天神橋、天満橋と浪華三大橋と称された難波橋。堺筋に架かる橋で、中之島を挟んで土佐堀川と堂島川を渡します。連続桁の桁橋及びアーチ橋、全長189.65m。
完成が大正4年ですが、昭和50年に架替えを伴う大規模改修が行われています。
中之島公園へ降りる階段があり、各所に凝られた意匠が見受けられます。
南詰め・北詰めには、黒雲母花崗岩で作られた獅子像(ライオンの石像)が左右両側に配置されています。狛犬の様に阿吽像となっています。
バラ園
時期的にバラは咲いていませんでした。奥に見える橋が難波橋です。
ラバー・ダック
世界中を旅する巨大な黄色いアヒル。中之島には平成27年9月18日~10月12日まで係留されるそうです。
Нет architecture(世界中を旅する黄色い子アヒル・ラバーダック)より
世界を旅する黄色い子アヒル・ラバーダックは、美術館などの限定的な空間ではなく公共の河川や海などの水辺をバスタブに見立て、街並みをも背景として取り込んだパブリックアート。
オランダ人アーティスト、フロレンティン・ホフマン氏により2007年に製作され、これまでにヨーロッパ、南米、アジア、オセアニア、中東、北米と、世界中の地域をめぐっている。
作品のコンセプトは、政治的な意味合いで分断される国境も無く、年齢や人種など、異なった背景を持つすべての人々に癒しを与え、子供のころの記憶や思い出を呼び起こさせる、幸福の象徴であること。
作者のホフマン氏は、形として後世に残るようなものより、短期間の展示で、人々の心の中にいつまでも作品が生き続けることを望んでいるため、ラバーダックも常設的な展示はされておらず、ラバーやテント生地で製作されたこの作品も、期間終了後はしぼませて撤収される。
また、展示場所は水面に限られている。
近年は、膨らませたラバーダックを展示場所まで船で曳航する"パレード"が各地で開催されており、展示イベント同様、人気を博している。
天神橋(てんじんばし)
浪華三大橋の一つ、中之島の東端を渡す天神橋です。橋長210.7m。
昭和9年、3連アーチの鉄橋として架け替えられ、現在に至ります。
美しい鉄橋です。
中之島に下りるらせん階段。
中之島の東端です。奥には天満橋が見えます。
天満橋(てんまばし)
中之島から離れ、大川に架かる橋です。浪華三大橋の中で東端に位置しています。現在の橋は昭和10年に架設されました。カンチレバー式プレートガーダーで橋長は151m。
こちらも橋裏が美しい形状をしています。
天満橋から上流側を眺めます。
大阪ミナミの繁華街とは、明らかに別の顔を持った地域です。堂島川、土佐堀川に囲まれ、結界を保っているようにすら思えてしまいました。
重要文化財の重厚な建造物は見応えがあり、昭和初期に完成した橋梁群はそれぞれの顔を持っていました。