鉄道には路線ごとに起点からの距離を示す距離標があります。距離標はキロポストと呼ばれ、ゼロキロポスト(0km point)はその起点ということになります。東京駅には、中央本線、東海道本線、東北本線、新幹線など、多くのゼロキロポストが設置されいます。その形状も様々です。
また、ゼロキロポストの位置は丸の内駅舎の駅長室の位置と重なっています。駅長室の窓から一直線上に設置されています。
各地に向かう列車の起点となるゼロキロポストを探してみました。
1番線(中央線):中央本線
中央本線の起点駅は本来は神田駅ですが、東京駅にゼロキロポストがあります。東京駅と神田駅の間は東北本線となります。中央本線のゼロキロポストは廃止された万世橋駅にありましたが、廃止時に東京駅に移されたようです。
赤レンガ駅舎がシンボルの東京駅らしいゼロキロポストです。
万世橋駅は現在、「マーチエキュート神田万世橋」として商業施設に生まれ変わっています。1912年の開業当時の階段などが残っています。
2番線(中央線):中央本線
「0粁米」と表示されています。「粁」は、メートルの「米」に千倍(1000米)の「千」を合わせた和製漢字です。「粁米」という表示は、"キロメートルメートル"となるように思えますが、鉄道の表記にはよくあるようです。
3番線から10番線まで、4つのゼロキロポストが確認できます。全て「東海道本線・東北本線」のものになるようです。先に開業していた「東海道本線・東北本線」のホームを山手線や京浜線が利用するようになり、複雑な変遷を経て4つのゼロキロポストが設置されたようです。
3番線(京浜東北線):東海道本線・東北本線
「京浜東北線」のみ発着のホームですが、「東海道本線・東北本線」のゼロキロポストになります。
4番線(山手線内回り),5番線(山手線外回り)の間:東海道本線・東北本線
「起点国鉄キロ程基準原標 昭和44年12月20日作成 東京駅開業55周年記念」とあります。ブロンズ製で、国鉄100年を記念して立てられたとされるゼロキロポストです。ただし、国鉄100年は昭和47年(1972)のようですので、3年のズレがあります。
6番線(京浜東北線南行),7番線(東海道本線)の間:東海道本線・東北本線
「JUNE 23 1996」と刻まれていますが、記念日なのかは不明です。矢印が東海道本線と東北本線の方向を示しているようです。
番外? 7番線(東海道本線)
7番線ホームにチョークかペンキの手書きで書かれたゼロキロポスト?です。
8番線と9番線では確認できません。
10番線(東海道本線):東海道本線・東北本線
10番線から見えるゼロキロポストです。上は20番線の東北新幹線ホームです。
20番線・21番線(新幹線)ホーム:東北新幹線
綺麗な大理石がホームに埋め込まれています。その中に「0kmPOINT」という文字が見えます。
地下総武1番線(総武本線・横須賀線):総武本線・横須賀線
地下の総武線1番線から見えるゼロキロポストです。
3番線のホームには0K00の文字が見えます。
地下総武4番線(総武本線・横須賀線):総武本線・横須賀線
地下の総武線4番線から見えるゼロキロポストです。青いパイプは地下水を流すもので、10km以上先の立会川に排水されています。
他には京葉線、東海道新幹線ホームにもゼロキロポストがあるようです。
東京駅を出発する列車は「下り」で、東京駅に到着する列車が「上り」ということになり、中央駅としての役割を担ってきました。起点標として多くのゼロキロポストが設置されていますが、モニュメント的なものも多いようです。列車待ちの間にゼロキロポストを探してみるのも楽しいかもしれません。