gon11DSC01201花巻温泉を奥に進んだところに「釜淵の滝」があります。高さ8メートル、幅30メートルの釜を逆さにしたような形の滝です。台川の清流と滝の流れが見事です。釜淵の名は宮沢賢治の童話「台川」にも記されています。


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“釜淵の滝
 「釜淵」という名は、深く大きな滝壺の形からついたと言う説、あるいは岩盤が釜を伏せたような形をしているところから名付けられたとも言われている。台川の清らかな水が、玉すだれをかけたように数条に分かれ流れ落ちる様は、古くから人々に親しまれ、宮沢賢治も「釜淵だら俺ぁ前になんぼがへりも見だ。それでも今日も来た。」と、作品「台川」に記している” 案内板


案内板には「釜淵」という名前の由来には滝壺や岩盤の形からと書かれています。岩盤の中腹に大穴が数個あり、この形が炊飯釜に似ているという説もあるようです。

gon11DSC04485大穴は甌穴(おうけつ、ポットホール)と呼ばれる穴です。落ち葉で分かりにくいですが、滝の岩盤には甌穴(おうけつ、ポットホール)が何個かあります。河床の岩盤に出来る釜状の穴で、岩のくぼみ入った石が川の流れで削って作った穴です。

gon11DSC04425”台川と釜淵の滝
 「〔もうでかけませう。〕たしかに光がうごいてみんな立ちあがる、腰をおろしたみぢかい草、かげらふか何かゆれてゐる、かげらふぢゃない、網膜が感じたゞけのその光だ、」(童話「台川」)
 「台川」や「釜淵の滝」付近は童話「台川」の舞台です。農学校の教師をしていた宮沢賢治は生徒を連れて野道を歩き台川をさかのぼってここ釜淵の滝あたりまで地形や岩石などを調べに来ました。
 「台川」はその時の野外授業の一部始終です。生徒たちの心の動き自然との交感を歩行者の目で実にいきいきと表現されています。” 賢治ゆかりの地案内板


農学校の教師をしていた宮沢賢治が生徒たちを連れて野外授業をしていたそうです。地形や岩石を調べていたと言います。その野外授業を受けてみたいものです。

『これから又こゝへ一返帰って十一時には向ふの宿へつかなければいけないんだ。「何処さ行ぐのす。」さうだ、釜淵まで行くといふのを知らないものもあるんだな。〔釜淵まで、一寸(ちょっと)三十分ばかり。〕 』(宮沢賢治作「台川」)

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gon11DSC01216釜状の岩盤を流れ落ちる滝の流れが美しいです。


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gon11DSC01225滝の上部に行くと、きれいな落ち葉が沢山落ちていました。



gon11DSC01231釜淵の滝の上流部から台川の流れを眺めます。


宮沢賢治ゆかりの地である花巻市の「釜淵の滝」は、滝の流れがとても美しく、心が落ち着く場所です。四季折々の景色を見てみたいものです。