文京区湯島にある「天澤山 麟祥院(りんしょういん)」には春日局のお墓があります。三代将軍家光の乳母であった春日局の隠棲所として、寛永元年(1624)に創建された寺院です。はじめは「報恩山 天澤寺」と言ったそうです。
麟祥院山門


上野方面から切通坂を上り本郷三丁目に向かう途中、道路から少し奥まった場所に麟祥院はあります。


境内はとてもきれいに整備されています。すこし奥まった場所にあるせいか、静寂に包まれていました。奥ゆかしさのある寺院という印象を受けました。
麟祥院本堂


大奥制度を確立したのが春日局です。寛永20年(1643)に65歳で逝去したそうです。
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境内の墓地を奥に進むと春日局の墓所があります。寛永21年(1644)建立だそうです。
春日局の墓


墓石は無縫塔で四方に穴が貫通しています。非常に珍しい形だと思います。春日局が遺言で「黄泉からも天下のご政道を見守れる墓を作ってほしい」と言ったそうです。
扉には三つ葉葵のご紋と隅切り角に三木の紋があります。
春日局の墓



春日局の墓と哲学館跡の案内板です。
明治20年(1887)、麟祥院内に東洋大学の前身である「哲学館」が創立されたそうです。創立者の井上円了(えんりょう)が麟祥院の一棟を借りて開校したそうです。
春日局の墓、哲学館跡 案内板

入り口の近くに「東洋大学発祥之地」の石碑がありました。
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麟祥院はひっそりと奥ゆかしさのある寺院でした。