日本橋の三越本店と三井本館は歴史的な建造物として立ち並んでいます。江戸時代の呉服店(ごふくだな)「越後屋」が起源です。
江戸時代、現在の三越本店と三井本館の位置には「越後屋」があり、井桁が三の字を囲むの暖簾が、道を挟んで向かい合っていたようです。
"「東京都選定歴史的建造物 三越本店」
三越は、延宝元年(1673)に「越後屋」として創業した。「三井呉服店」を経て、「三越呉服店」となり、大正3年(1914)には、鉄筋コンクリート造による大規模な百貨店の新築を行った。
当時の建物はネオ・ルネッサンス・スタイルの壮麗な建築で、5階建一部6階、中央部に5階まで吹き抜けのバロック的大空間をもっていた。その後、震災で損傷し、昭和2年に復興するが、更に昭和10年全館の増改築が完成し、現在見られるような規模となった。
建物中央部の吹き抜けホールは、アーチ状の天窓からの光がホール全体を照らし、5階までの各階にはバルコニーがめぐり、アール・デコ風のデザインが目につく。そこに展開する装飾性豊かな空間は見事である。
東京都生活文化局"
正面玄関には三越の象徴とも言えるライオン像2体が出迎えます。気品のあるいで立ちです。
大正3年(1914)の竣工当初から設置されている歴史あるライオン像です。
建物の中央部には5階まで吹き抜けのホールがあります。お店の方に確認して写真を撮らせてもらいました。正面には4階に届くほどの「天女(まごころ)像」がそびえ立っています。
5階のバルコニーから下を覗いてみました。2階のバルコニーには昭和10年から設置されているパイプオルガンが見えます。
三井本館は国の重要文化財に指定されています。オフィスビルとしては、初めて国の重要文化財に指定された建造物です。
旧三井本館は関東大震災で焼失、1929年に建て替えられました。地上7階地下2階の鉄筋コンクリート造です。威厳を感じる建造物です。
地下には重量約50トンの金庫があり、搬入の際に日本橋を損傷しないために船で運ばれたという逸話が残っています。
江戸時代に「越後屋」から始まった地に、起源を同じにした見応えのある建造物が向かい合っています。