いつか読みたいと思いながら、やっと「のぼうの城」を読みました。

のぼうの城
のぼうの城

天下統一を目指す豊臣秀吉が小田原城攻めの際に唯一落とせなかった「忍城」(現在の埼玉県行田市)の攻防が描かれています。「忍城」に攻めた豊臣軍の総大将は石田光成です。

圧倒的な大軍で豊臣軍が攻め入る中、忍城の武将たちの奇策を織り交ぜた戦いぶりが痛快です。
城代となり戦を宣言した「のぼう様」は領民からも"でくの坊"と思われるほどの人物です。無能な者への妙な求心力がこの戦において大きく作用します。

戦国の世において、例え敵味方であっても仁義が重んじられていたことが分ります。敗者に対する礼を大切にする戦国武士の義は現在の武道につながると思いました。

また、至る所に資料を基にした史実が織り込まれています。この辺りは違和感を覚える人も多いかと思います。 この小説が事実に基づいていることが実感でき、そのことで物語へ引き込まれるという面もあるかと思います。

小説の中で、先の展開を説明する部分もありますが、そこに至るまでをワクワクしながら楽しむことが出来ました。


2011年秋には映画化されるそうですので観に行きたいものです。「のぼう様」を野村萬斎が演じるということで楽しみです。



忍城の場所です。以前、この近くを何度か通ったことがあります。その当時は「忍城(おしじょう)」を「しのぶじょう」と読むものだと思っていましたし、凄い城だとは思いもよりませんでした。