国宝「清水寺本堂ほか8棟保存修理事業」は平成20年度から32年度まで実施されています。国宝の本堂と重要文化財8棟の修理をあわせて行うという、まさに大改修が行われています。改修工事中の姿を見るのも貴重な体験です。
清水寺は宝亀9年(778)に僧賢心(延鎮)が草庵を建てたのが起源とされています。延暦17年(798)、坂上田村麻呂が仏殿を建立、千手観音像を安置したのをはじまりと伝わります。創建依頼、幾度となく大火災により消失するも、平安時代から続く篤い信仰によって再建されてきました。
文明元年(1469)の応仁の乱による戦火後に再建されたのが「馬駐、仁王門、鐘楼、子安塔」、寛永6年(1629)の大火災後に再建されたのが「本堂、西門、三重塔、経堂、田村堂、朝倉堂、轟門、本坊北総門、鎮守堂(春日社)、釈迦堂、阿弥陀堂、奥院」になります。
本堂は国宝、15棟が重要文化財に指定されています。 1994年にはユネスコ世界文化遺産のひとつとして登録されました。
仁王門・西門・三重塔
仁王門をくぐって振り返ると京都市街地が一望できます。
西門・三重塔
西門と三重塔です。朱色の伽藍が青空に映えます。
本堂、清水の舞台
昭和42年以来の大改修となる本堂は、丸太で組まれた足場で覆われています。これだけの足場を組むだけでも大変な作業ではないでしょうか。
平成29年(2017)2月から平成32年(2021)3月までの予定で、屋根の葺き替え工事と舞台の補修工事も行われます。
平成28年度 素屋根の建設
平成29年度 檜皮葺の葺き替え、漆喰壁の塗り直し
平成31年度 檜皮葺完了、素屋根の解体
平成32年度 舞台の破損部分等の補修
清水の舞台は通常よりも狭い空間になっていますが、立ち入ることが出来ます。写真の奥が現在立入可能な舞台部分。
足場を上から見下ろすと壮観です。
奥の院から舞台を見ると、この様な景観になっていました。
下から眺めると迫力があります。この様な舞台を見られるのも50年に1度です。
アテルイとモレの碑がありました。坂上田村麻呂が仏殿を建立したという清水寺に碑が建てられています。
改修工事中ということで殺伐とした状況を想像していましたが、丸太で組まれた巨大足場によって壮観な印象を受けました。今しか見られない景観であり、一度見る価値はあると思います。