岩手県には多くの毘沙門天像が残っています。『平泉・遠野・盛岡散歩24コース』という本の「北の仏像―鉈彫りの仏を訪ねる」の項を参考に紫波町・花巻市・北上市の仏像がある御堂やお寺を巡って来ました。
『毘沙門叩き』という本を読んで以来、毘沙門天に興味をもち、いつか見て回りたいと思っていました。しかし、今回、像を見る為には事前連絡が必要なところがほとんどでした。成島毘沙門堂の毘沙門天立像は拝観料を払って見学可能です。
花巻市東和町編です。
≪熊野神社・成島毘沙門堂(花巻市東和町) 毘沙門天立像≫
旧東和町内の県道284号線沿いにある熊野神社・成島毘沙門堂には、国重要文化財の毘沙門天立像があります。収蔵庫に収められており、拝観料400円で見学が可能です。
県道から狭く勾配のきつい道路を登ります。途中に毘沙門山の由来が書かれてた看板がありました。「坂上田村麻呂が日本の北辺の守護神として、この地に毘沙門天を奉り...」とあります。
「毘沙門天のみち」としてモデルコースの看板がありました。
階段を使って歩いて登ることも可能です。結構な段数だと思います。
入口の鳥居です。
熊野神社の本堂前には「茅の輪くぐり神事」の茅の輪が置かれていました。6月29日に夏越大祓式があるそうです。
「茅の輪くぐり神事について」
古来より茅の輪をくぐり厄難消除、罪、穢れを祓い、今年半年間の清祓いを行う神事であります。
「茅の輪のくぐり方」
1回目:右に一度、2回目:左に一度、3回目:正面に一度
熊野神社の本堂です。坂上田村麻呂が建立したとされています。県指定有形文化財です。
全国でも有名な泣き相撲の土俵があります。
国重要文化財の毘沙門堂です。室町時代後期の建物だそうです。
右側奥が毘沙門堂、左端上部の木の陰に薄ら見える白い建物が収蔵庫です。拝観料は400円でした。
4.73mある毘沙門天立像は迫力満点でした。間近で見ると本当に大きいです。一本造りの仏像として日本最大級だそうです。足元には両側に藍婆(らんば)、毘藍婆(びらんば)の像が並びます。向かって左側には国重要文化財の伝吉祥天立像と県指定有形文化財の阿弥陀如来立像がありました。阿弥陀如来立像は地震で倒れ、首と左腕が取れてしまったそうです。
宮沢賢治の詩碑がありました。
毘沙門天像は大きさに圧倒されます。
山全体に神秘性があり、パワーを貰える空間でした。
≪凌雲寺(花巻市東和町) 十一面観音立像、仁王像≫
旧東和町の山手にある凌雲寺(りょううんじ)には、県指定有形文化財の十一面観音立像が2体、仁王像(金剛力士像)があります。※十一面観音立像の拝観は事前申し込みが必要です。
凌雲寺の山門前に蓮が浮いた池がありました。
山門の両側に仁王像が立ち並びます。
仁王像の説明です。吽形(うんぎょう)像には応永19年(1412年)の紀年銘があり、岩手県内の仁王像で最古の紀年銘をもつそうです。
吽形像。約2.4mあるそうで、迫力があります。
吽形像の足です。結構リアルです。
阿形像、少しやせ形に見えますが迫力満点です。
山門をくぐると大きな屋根の本堂が見えます。
本堂には龍の彫刻があり、見事でした。