岩手県には多くの毘沙門天像が残っています。『平泉・遠野・盛岡散歩24コース』という本の「北の仏像―鉈彫りの仏を訪ねる」の項を参考に紫波町・花巻市・北上市の仏像がある御堂やお寺を巡って来ました。
『毘沙門叩き』という本を読んで以来、毘沙門天に興味をもち、いつか見て回りたいと思っていました。しかし、今回、像を見る為には事前連絡が必要なところがほとんどでした。成島毘沙門堂の毘沙門天立像は拝観料を払って見学可能です。
北上市編です。
≪立花毘沙門堂(北上市) 毘沙門天立像≫
桜の名勝である天勝地にほど近い立花毘沙門堂には国重要文化財の毘沙門立像と仁天王立像があります。収蔵庫に収められており、拝観には事前に問い合わせが必要だそうです。
木に囲まれた中に赤い屋根のお堂がありました。非常にシンプルな外観ですが、趣きがあります。
説明書きには
「天安元年(857年)文徳天皇は胆沢城の真北にある極楽寺を準官寺の定額寺に指定し、今の岩手県地方の文化発展の中心地とした。
極楽寺の周辺には東谷・西谷・北谷など36坊があったといわれ、北谷にあったこの毘沙門堂だけが平安時代の仏像を残している。」
とありました。
毘沙門天立像は「像高102cm、皮兜をかぶり、一木造りのナタ彫で10世紀作」だそうです。
二天立像の説明には「持国天立像は像高163cm、総高170cm。増長天立像は像高151cm、総高170cm。両像とも寄木造り11世紀の作で藤原期特有の優美な曲線美を表現している。」とありました。平泉浄土文化の影響を受けていると言われています。
他に3点の市指定有形文化財があるようそうです。
今回は行けませんでしたが、立花毘沙門堂の近くには北上市立博物館があり、国見山周辺の貴重な仏像を見ることができるそうです。