都電荒川線に乗る前に早稲田大学を見学してみようと行ってみると、大勢の人でごった返していました。ちょうど、オープンキャンパスの日だったのです。
大隈講堂では時計塔等を巡る見学ツアーをやっていました。こんな機会もないので、大隈講堂の見学ツアーに参加させていただきました。
大隈講堂 


通年、キャンパスツアーが開催されていて、そちらでも大隈講堂の見学ツアーがあるようです。

大隈講堂の前に立派な説明看板がありました。昭和2年(1927年)に建築され、平成19年には重要文化財に指定されたようです。正式名称は「早稲田大学大隈記念講堂」です。
早稲田大学大隈記念講堂

"早稲田大学大隈記念講堂は、創立者である大隈重信に対する記念事業として計画され、同大建築学科の佐藤功一教授と佐藤武夫助教授が設計し、同教授の内藤多仲が構造を担当し、昭和2年10月15日に竣工した。
早稲田大学大隈記念講堂は、早稲田大学のシンボル的存在であり、ロマネスク様式を基調としてゴシック様式を加味した我が国近代の折衷主義建築の優品として、高い評価がある。
また早稲田大学建築学科で永く教鞭をとり、多くの建築家を育てた佐藤功一の代表作としても重要である"


建設当時の総長が「ゴシック様式であること」、「演劇に使えること」という注文をしたそうです。音響設計が施された総座席数1,435席の大講堂が造られました。当時の東京にこれだけの規模の劇場は数少なかったようです。地上3階地下1階という構造です。


大隈講堂の見学ツアーは時計塔が目玉です。
大隈講堂

この時計の裏側にある時計室に向かいます。
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時計塔の高さは約38メートルで125尺あるそうです。大隈重信が唱えた人生125歳説(人は摂生すれば125歳まで生きられる)にちなんだ数字です。NHKブラタモリで、早大生にタモリさんが教えていました。

この人生125歳説にちなみ、2007年には創立125周年記念事業が行われています。「125」という数字が早稲田大学にとっては特別な意味をもっていて、創設者である大隈重信に対する敬意を忘れないという精神が根付いているのだと思います。



長針が1m、短針が85cmで直径が2mもある大きな時計が塔の四方に配置されています。通常は8時、9時、12時、16時、20時の1日6回、鐘がなるそうです。夕方には時計にライトが灯されます。

階段を110段登り、時計室に向かいます。

階段には、趣のある電灯がありました。
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明かり取りの窓は黄色のステンドグラスがはめられ、温かい光となっています。
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この窓から外を眺めると、景色も変わって見えて来ます。
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階段の壁が丸く抜かれ、覗けるようになっています。
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階段を登るだけで、十分に堪能してしまいました。



時計室に到着です。
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裏から見た時計です。裸電球が夕方に自動で灯され、朝には消えます。直径2mの大きな時計ですが、非常にシンプルな造りが印象的です。1階にある標準時計で制御しているそうです。
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時計塔を降りて、バルコニーに案内されます。途中には丸い素敵な窓がありました。
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アーケード式のバルコニーです。天井や柱の造りが目を引きます。庭園を眺めることが出来ます。昔、大隈邸があり、江戸時代には高松藩松平家の大名屋敷があった場所です。
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ステンドグラスの窓。
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壁には大礼服の大隈重信銅像がありました。この銅像は、本当はキャンパスに置かれるはずだったそうです。人目に付く場所に大礼服はまずいということで、こちらの場所に入れ替えられたそうです。現在、キャンパスにある銅像に合わせた造りのため、サイズが合わずに銅像の周りにかなりの隙間があります。
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この有名な大隈重信像が、上の写真のバルコニーに置かれるはずでした。
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バルコニーの先には貴賓室がありました。机やテーブル、時計も貴重な品です。
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貴賓室を見学して、大隈講堂の見学ツアーは終了です。


早稲田大学のマスコットキャラクター「WASEDA BEAR(ワセダベア-)」が講堂の前にあり、記念写真を撮る人が多くいました。
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早稲田大学の前身は明治15年(1882年)に大隈重信が創設した東京専門学校です。当時は田んぼの真中に立っていたようです。大隈講堂の場所も当時は田んぼでした。「早稲田」という名前の由来も田んぼに起因するのだと思います。

オープンキャンパスでは模擬講義も開かれていて、時間があれば聞いてみたかったです。


125歳説を唱えた大隈重信に思いを馳せながら、大隈通りを通り、都電荒川線の停留所に向かいました。
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