2月28日、遠野市のあえりあ遠野で開催された井沢元彦氏講演会「遠野物語に見る日本と日本人」に行ってきました。井沢元彦氏と言えば、「逆説の日本史」で有名な作家です。
逆説の日本史17 江戸成熟編 アイヌ民族と幕府崩壊の謎
読書 一覧
コミックいわて
岩手ゆかりのマンガ家が集結して、岩手を題材として描き下ろした10話のマンガ集です。岩手県庁が企画・発行にあたり、オタク?である達増岩手県知事が責任編集となっています。
本編の他に岩手県ゆかりの漫画家、岩手県が舞台の漫画、岩手県出身の漫画登場人物が岩手県のマップで紹介されています。
岩手県にゆかりのあるマンガ家が多いことに驚きました。
岩手を題材にしていると言っても、観光地ばかりが登場するのでなく、風土や日常、岩手県人気質、マンガ家達の故郷への想いが中心に描かれています。
岩手の観光地を知ろうと思って読んでしまうと、がっかりすると思いますが、岩手の風土た岩手県人を理解するという視点で読むのが良いかと思います。
岩手県庁が企画したという観点からは、岩手の何をPRしようとしているのかが中途半端な印象を受けます。とは言え、このマンガをきっかけに岩手のこと(存在)を知って貰うきっかけとしては良い企画だと思いました。
個人的にはバンカラの応援団が主人公の地下沢中也さんの作品が好きでした。
岩手が生んだ才能10人が、それぞれの岩手への想いを持って描き下ろしたマンガであり、実際に暮らしている自分にとっても故郷を見直す機会になりました。 岩手県庁さん、ありがとうございました!
関連したマンガとして「ゴーガイ! 岩手チャグチャグ新聞社」があります。
ゴーガイ! 岩手チャグチャグ新聞社 (KCデラックス)
こちらも漫画を活用して岩手県の文化や観光情報を発信する目的で、岩手県庁と講談社が連携して企画したものです。作者は「コミックいわて」にも登場する一関市在住の飛鳥あるとさんです。
観光地の魅力をコメディータッチでハートフルに描いたマンガです。架空新聞社の県南支局の女性記者が主人公で、猊鼻渓、遠野、平泉、花巻などが登場します。
また、ストーリーとは別に観光地や名物などの紹介も掲載されており、観光案内としても活用できます。
今回は県南地域中心なので、県央、県北、沿岸地域の続編を期待したいです。
テオ・ヤンセン氏のストランドビーストのミニ版の付録が付いた「大人の科学マガジン(vol.30)=風を受けて歩く生命体をつくる=テオ・ヤンセンのミニビースト」を購入しました。
キネティックアート(動く芸術)の中でもストランドビーストは造形とその動きから群を抜いているそうです。ストランドビーストの生みの親であるテオ・ヤンセン氏はオランダ出身の芸術家で「鬼才」と呼ばれているそうです。 本物のストランドビーストは正に巨大生命体です。
この雑誌の「ミニビースト」は1時間30分もあれば完成します。私は1時間ちょっとで完成しました。比較的簡単にストランドビーストの世界が家で体験できてしまいます。
同じ形の部品を組み合わせて、右脚、左脚を作って行きます。
脚の部品です。4種12個です。
12個の脚が完成です。
脚を動かすためのクランクシャフト、これにより12本の足がバラバラに動きます。
脚の部分が完成です。この2つを縦に繋げます。
縦に繋げたところ。ここまでくれば、ほぼ完成です。
プロペラを付けて完成です。
動画。うちわで扇いで動かしました。生き物のように動きます。脚の動きが巧妙です。
こちらは学研のプロモーションビデオ。
雑誌を買うというより、100%付録を買うことに目的があります。動かしてみて、買う前に思っていた以上の精密さと動きに驚きました。そして、何故か癒されましたー。
外に持って行って、自然の風で動かしたいと思います。
いつか読みたいと思いながら、やっと「のぼうの城」を読みました。
のぼうの城
天下統一を目指す豊臣秀吉が小田原城攻めの際に唯一落とせなかった「忍城」(現在の埼玉県行田市)の攻防が描かれています。「忍城」に攻めた豊臣軍の総大将は石田光成です。
圧倒的な大軍で豊臣軍が攻め入る中、忍城の武将たちの奇策を織り交ぜた戦いぶりが痛快です。
城代となり戦を宣言した「のぼう様」は領民からも"でくの坊"と思われるほどの人物です。無能な者への妙な求心力がこの戦において大きく作用します。
戦国の世において、例え敵味方であっても仁義が重んじられていたことが分ります。敗者に対する礼を大切にする戦国武士の義は現在の武道につながると思いました。
また、至る所に資料を基にした史実が織り込まれています。この辺りは違和感を覚える人も多いかと思います。 この小説が事実に基づいていることが実感でき、そのことで物語へ引き込まれるという面もあるかと思います。
小説の中で、先の展開を説明する部分もありますが、そこに至るまでをワクワクしながら楽しむことが出来ました。
2011年秋には映画化されるそうですので観に行きたいものです。「のぼう様」を野村萬斎が演じるということで楽しみです。
忍城の場所です。以前、この近くを何度か通ったことがあります。その当時は「忍城(おしじょう)」を「しのぶじょう」と読むものだと思っていましたし、凄い城だとは思いもよりませんでした。
2011年1月28日に岩手県ゆかりの漫画家が集結して「岩手」をテーマに書き下ろしたマンガ作品集が発売されるそうです。 岩手の自然、伝承、祭り、人物など魅力いっぱいの地元ネタ満載なのだそうで、ぜひ欲しいです!
岩手県はマンガで県をPRするというプロジェクトを立ち上げ、平成22年度の県予算にも予算計上(952万円)したほどです。県の施策として出版されたマンガ本であり、当時の新聞記事には「漫画のソフトパワーを生かし、岩手を全国に発信したい」という県幹部の発言もありました。
出版の経緯・目的
平成21年7~9月に石神の丘美術館と萬鉄五郎記念美術館において『マンガ百花繚乱-いわての漫画家50の表現-展』が開催され、本県ゆかりの漫画家53名の作品が紹介されました。これらの漫画家の皆さんの協力をもらい、マンガを通じて本県のさまざまなソフトパワー(自然・文化やおもてなしの心など)を掘り起こし、その魅力を発信する活動として、いわてマンガプロジェクトに取組んでいます。その具体的取組として、本県ゆかりの漫画家に執筆依頼し、岩手を題材とする全国初の地域に焦点を当てたマンガ単行本「コミックいわて」を出版し、本県が有する豊かな地域資源やその魅力について、マンガを通じて全国に向けて情報発信を行っていきます。岩手県公式ホームページ 「コミックいわて」の出版について より
この力の入れようは、ある意味オタクであろう?達増岩手県知事の漫画好きが大きく作用していると思います。 「コミックいわて」の帯には"岩手県知事責任編集!!"と書かれています。
「荒俣宏・高橋克彦の岩手ふしぎ旅」(実業之日本社) で達増岩手県知事と対談して大変盛りあがった荒俣宏さんが 「あんなマニアックな知事はいない!しゃべり過ぎて疲れた。何食べたか覚えていない」(P10)と言ったというエピソードが紹介されているほどです。
荒俣宏・高橋克彦の岩手ふしぎ旅
本題に戻り、参加しているマンガ家は以下の10名だそうです。
・池野恋
花巻市在住。ときめきトゥナイト(集英社文庫―コミック版)などが代表作です。
・神田ジョセフィーヌ
盛岡市在住。 ホラーM、Office YOU等に掲載中だそうです。
・とりのなん子
岩手県出身。週刊モーニングに連載中のとりぱん (ワイドKCモーニング)が有名です。 鳥ネタと地元ネタが融合する私も好きなマンガです。
・そのだつくし
盛岡市出身、雫石町在住。あやしげ通販 (講談社コミックスキス)が代表作です。
・吉田戦車
奥州市出身。かわうそ君が登場する伝染(うつ)るんです。 (小学館文庫)は私も大好きなマンガです。
・佐藤智一
一関市(旧川崎村)出身。壁ぎわ税務官(ビッグコミックス)が代表作です。ビックコミックスペリオールで匠三代(ビッグコミックス)を連載中だそうです。
・地下沢中也
奥州市出身。預言者ピッピなどが代表作です。
・飛鳥あると
一関市在住。お受験します (Be・Loveコミックス)が代表作。
BE-LOVEに『ゴーガイ!岩手チャグチャグ新聞社』を連載中です。 岩手県のと連携で発刊された単行本は岩手情報満載コミックとして絶賛発売中です。地元の観光名所を舞台にしたハートフルコメディです。 私も持っています。
・小田ひで次
八幡平市出身。ミヨリの森が代表作でがアニメ化もされています。
・いわてマンガ大賞作品 「イーハトーブを歩く人」 くどうよしと(盛岡市在住)
宮沢賢治に似た人物が現在の岩手県内各地に現れる物語。
こうして並べて見てみると、岩手県には素晴らしいマンガ家が多いと実感しました。発売が今から楽しみです。
タイトルだけ見ると内容を勘違いしそうですが、歴史学的見地から中国を分析しています。
中国には「指桑罵槐(しそうばかい)」ということわざがあるそうです。「桑の木を指して槐(えんじゅ)を罵る」、本当の怒りの矛先とは別の物を攻撃するという意味だそうです。このことわざだけでも現在の中国を理解することに役立つと思います。
中国人の行動原理「指桑罵槐」には「バルネラビリティ(脆弱性)の原理」により他人に弱味を見せてはいけないというタブーが働いていると説いています。この原理がなぜ生まれたのかを歴史学的に理由を明らかにしています。
古代から本来の国家として中国が存在したことはなく、交易を中心とした流通システムで結びついた商業都市連合が国となり、王とはマーケットの支配者であったということです。数千年もの間、この様な状態が続き、広大な土地には個人だけが存在しており、自分だけが頼りという徹底した個人主義が根付いたそうです。
この厄介な国、中国 (WAC BUNKO)
また、特に印象に残ったのは中国では古代から共通言語が存在していないことです。漢文と現代中国語は全く違うものだという事にも驚きました。正確な公文書の作成に漢文は利用されてきたそうです。新しい出来事や変化を表現出来ない漢文という手段しかなかったことから情緒や感情を伝える手段がなかったのです。
「時として言葉により、感情表現が制限されるのではないか」という言語学者の話を聞いたことがありますが、感情表現できない言語体系という世界は想像できないものです。
さらに欧米の歴史から最強の国家システムである国民国家(ネーションステート)への変遷の試みについて最終章で一気にまとめられています。
現在の中国も国民国家の樹立には至っておらず、民族や歴史、言葉も違う広大な国を統治するシステムは脈々と続いてきた「皇帝システム」でしかないと結論付けています。
"では、現実に存在してきた「中国」とはなにか。すでに述べたとおり、ただひとり、皇帝のみが「中国」であり、彼が支配する流通システム網だけが、その「帝国」なのである。だから、元などの異民族の帝国であろうと、明などの秘密結社出身の王であろうと、ひとたび皇帝となり、その流通システムを通じた統一支配を行えば、それが「中国」だということになる。"
― 出典: この厄介な国、中国 (WAC BUNKO) , 229ページ より
日本人が中国人を理解出来ない、理解したつもりで勝手に不快に思っている理由の一端をしることが出来ました。
「アンパンマンのクリスマス」という絵本があります。
アンパンマンのクリスマス
この絵本、子供に読み聞かせをしていて不思議な点があるのです。アンパンマンと言えば「顔が濡れて力が出ない~」と非常に水に弱いのが常識ではないでしょうか。顔に水が掛かりそうな時には防水具を身につけて登場するほどです。
この絵本では、思いっきり顔が濡れているはずなのにアンパンマンは平然とばいきんまんと戦って倒してしまいます。ばいきんまんに誘拐されたサンタクロースを湖の底に助けに行くのですが、防水具も無しに水の中に潜って行くのです。
子供達もテレビアニメの「それ行け!アンパンマン」で水に弱いアンパンマンを見慣れていますので、ちょっと不思議に思っているようです。
どうやら、初期のころには多少の異常では平気だったようで、水に濡れてもふやけないこともあったようです。
アンパンマンの絵本は1973年に幼稚園・保育園向けに初めて登場して、初めての絵本はひらがなで「あんぱんまん」だったようです。私も幼稚園の頃に先生から読んでもらった記憶があります。かなりインパクトのある楽しい絵本でした。 幼稚園・保育園で人気が出た為に1976年にハードカバー版が販売されたそうです。
あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8)
初期のアンパンマンの顔は現在と少し違っていましたし、容姿も設定も少しずつ変遷してきたということだと思います。
武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
筆者を知ったのはNHKの古地図で巡る龍馬の旅 (趣味工房シリーズ NHK直伝和の極意)です。この本を知ったのはNHKの「爆笑問題のニッポンの教養」(「江戸時代のTwitter」編)でした。古文書を読み解き、歴史の真実に迫る情熱にとても好感が持てました。
この本は加賀藩士である猪山家の家計簿や書簡、日記をもとに幕末から明治にかけての激動の時代を生き抜いた武士の実態に迫るというものです。以前から武士の家計簿を探していた筆者が猪山家の家計簿に出会い、解読作業を始めます。筆者の興奮が伝わってきて、一気に読んでしまいました。
江戸時代の武士の生活や家計、家族のつながりなどを家計簿を通して紐解いていきます。当時の武士は家計が火の車だったことは意外でした。出世するほどに江戸詰による経費や交際費が嵩むのです。それは武士の給与が家柄や先祖の功績によって決められていたことに由縁します。(東大の赤門は加賀藩主と将軍家姫君との婚礼の際に建てられ、猪山家が携わっています)
明治維新という大変革の時代で武士がどうなったのかは歴史の表舞台には出てきません。官職に付けた者はごく一握りでした。
明治政府は「家禄奉還」という、今でいえば「早期退職制度」のようなリストラを実施します。正に多くの武士にとっては天と地がひっくり返ったようなものです。
猪山家は加賀藩で御算用者(会計、算術のプロ)として大出世を果たしており、明治政府においても海軍に登用されました。官職についた者はかなりの収入があり、猪山家は生活に困窮することはなかったのです。
明治維新の激動の中で猪山家は会計や算術のプロとして生きる道が用意されていました。このことを通じて、長けた技術や技能を身につけること、教育の大切さを知ることが出来ます。
≪この本で気になったことの覚書≫
「仙台藩ものがたり」(河北新報社)によると、仙台藩では藩士に知行地を直接与える制度を取っており、このような藩は少ないということでした。仙台藩の繁栄は知行地を与えることで新田開発が進んだことが貢献しています。その反面、幕末の新しい時代変革に付いて行けなかった要因ともなりました。
仙台藩ものがたり
このことに関連して、筆者が余談としていた第1章の「なぜ明治政府は武士の領主権を廃止できたか」という項に注目しました。武士が在郷して領地をしっかり経営していたのは九州西南や仙台藩などが代表的だったそうです。大部分の藩では領民の顔も領地を見ることもなく知行石高に応じて年貢を受け取る制度「蔵米知行」が確立していたそうです。『現実の土地から切り離された領主権は弱い』ものであり比較的容易に解体できたのではないかというものでした。
武士の領主権が現実の土地と結びついていた鹿児島藩などは西南戦争などの士族反乱になったというものでした。
いのちのかぞえかた(千倉書房)はセルジュ・ブロックの絵に小山薫堂の文が添えられた絵本です。
内容からも大人向けの絵本かと思います。
ある日生まれた女の子が主人公で、女の子が一生の間で経験する様々なことを数で示しながら物語は進みます。
例えば一生分の「まばたきの数、涙の粒の数、お友達とお話している時間」こんなことは普段は意識したこともないことです。
数字化することで全ての事が大切に思えてくるということだと思います。人生を大切に生きること、無駄ことはないことを示してくれる絵本だと思います。
世界遺産登録を目指している平泉の中尊寺をバックにして『ゴーガイ! 岩手チャグチャグ新聞社 (KCデラックス)』の主人公 坂東さきるが描かれています。飛鳥あるとさんが今回のために新たに作画したマンガイラストだそうです。
下記リンクから無料でダウンロードできます。
岩手県ホームページ(2011年年賀状素材)リンク
2011年賀状素材〔平泉〕
2011年賀状素材〔定住交流〕
2011年賀状素材〔ベーシック版〕
ゴーガイ! 岩手チャグチャグ新聞社 (KCデラックス)
2009年から講談社のコミック「BE・LOVE」に連載されたマンガで、岩手県と講談社がの連携により今年の5月13日に発刊した漫画単行本です。
漫画を活用して岩手県の文化や観光情報を発信する目的で、県政策推進室と講談社が連携して企画したものです。
作者が一関市在住ということで、発売当初は一関市内の書店では手に入りにくい状態でした。県内はもとより首都圏でも売れ、発売後すぐに増刷されています。
岩手県の魅力をコメディータッチでハートフルに描かれています。架空新聞社の県南支局の女性記者が主人公 坂東さきるで今回の年賀状素材にも登場しています。
漫画では東山町の猊鼻渓、遠野、平泉、花巻などが舞台となています。 岩手県との連携でストーリーとは別に観光地や名物などの観光案内も掲載されていて参考になります。